任意売却で売れなかったら...その時はどうなる⁉　第４話

競売になるかならないか、あなたにとって大きな分かれ道となる「任意売却」ですが、いざやると決めても、トントン拍子にうまくいかないこともあります。

今回は、任意売却が認められないために売れなかったなど、そもそも任意売却ができないのではなく、任意売却を試みているにもかかわらず、売れない。どうすればいいの、について見ていきます。

なかなか買い手が見つからない！

そんな時に、あなたにできることを４つお話ししてみます。

販売価格を下げる

今の売り出し価格に、あなたがなにか違和感を感じているのであれば、パートナー会社に相談をしてみましょう。

もちろん、そこでパートナー会社からもアドバイスなどあるでしょうが、価格を下げるのが賢明だと判断すれば、あなたの代わりにパートナー会社が、債権者に交渉をすることになります。

しかし、ただ単に売れないから価格を下げるというのは、あなたにとっても、返済できる金額が少なくなるワケですから、マイナスでしかありません。

他に出来ることがあるのであれば、まずは、そちらからやるべきでしょう。

物件のイメージを上げる

庭や玄関先・各部屋の清掃、それから長年かけてたまってしまったモノの整理。

これらは、状態にもよりますが、今のあなたがお金をかけずに出来ることがほとんどのハズです。

たとえば、大きな粗大ごみは、市や区に依頼すれば、一般の業者より安く処分できるでしょうし、ノコギリや金づちを使って分解できれば、一般ごみとして処分できるモノもあるでしょう。

家具・家電・衣類はリサイクル業者を活用したり、本であれば古本屋の買取も利用できるかもしれません。

任意売却の契約形態を変える

これは、あなたが任意売却を依頼したときに、その会社と交わした契約形態のことです。

一度に結ぶ契約の期間は、最長３ヶ月となっており、その後も引き続き依頼するのであれば、契約を更新していくことになります。

契約形態は契約書に必ず載っていますので、どの形態で契約しているか、確認してみてください。

「専属専任媒介契約」

この契約をむすんだ会社は、あなたの家を独占的に販売できる、ということになります。あなたからすれば、一つの会社に絞って、任意売却をお願いするということです。

この契約を結んでいるのであれば、たとえば「あなたの友人が買いたい」といった場合でも、その不動産会社があいだに入り、売買契約をおこなうことになります。

独占的に販売できる権利がある分、あなたへの報告義務やレインズへの登録義務などが一番厳しい契約形態です。しかし、あなたにとって、高い確率で買い手が見つかる、というメリットがある契約形態です。

「専任媒介契約」

先ほどの契約から、専属という文字が抜けています。

これは、あなたが自力で買い手を見つけることもできる、という契約形態です。

この形態であれば、親戚や友人など、身近な人が買いたいといった場合、あなたが直接に売買を行うことも可能です。

そうなれば、仲介手数料を支払う必要がないという点では、メリットと言えるでしょう。

しかし、契約をしている会社が、その間に販売のための広告費や活動経費をかけていたとすれば、あなたが負担をする可能性もありますので、注意が必要です。

「一般媒介契約」

一つの不動産会社に絞らず、たくさんの会社に依頼することができます。

多くの会社に紹介してもらえる分、売れる確率も上がるのでは？と思われるかもしれませんが、この一般媒介契約は、会社側の義務というものがありません。

そのため、あなたへの報告やレインズへの登録がされない、という可能性があります。

不動産会社からしても、義務がないために、契約だけしてそのままになってしまっていたり、積極的に紹介していなかったり、特に販売活動をおこなっていない、ということも起こりうるでしょう。

任意売却は、時間も限られていますから、そんなにのんびりされてしまっては、あなたも困りますよね。

任意売却で家を売り出す時には、債権者は、通常、「専属専任媒介契約」か「専任媒介契約」をするように求めてきます。

しかし、まれに、「一般媒介契約」である場合もありますので、なかなか売却できない原因になっていることも考えられますので、あらためて、どの形態なのかを確認してみてください。

別のパートナー会社をみつける

今、あなたが既にどこかに任意売却を依頼していたとします。

それでも、他のところに相談はできますし、その際の相談料も、不動産会社であれば通常かからないハズです。

弁護士や司法書士などの士業事務所では、相談料がかかることもありますので、事前に確認してから相談しましょう。

あまりにも売却にむけての動きがない、近況を聞いても答えてくれなかったり返答が遅かったり、とにかく対応が悪い、などがあれば、遠慮なくほかのところへ相談してみましょう。

まとめ

ここまで、競売の流れまでを、時間の経過とともに見てきました。

結局、競売でも任意売却でも、売却する日が一日遅れるということは、あなたにとって遅延損害金が一日分増える、ということでもあります。

売却をあせって足元を見られることは、あってはなりませんが、かといって、のんびりしているワケにもいかないのが実際のところです。

「競売になる前に」という時間の勝負もありますが、「これ以上あなたの支払いを増やさない」という意味でも、時間の勝負とも言えるでしょう。

任意売却をしても、このまま売れなかったら...と心配しているだけでなく、とにかく、あなたにできるコトをする。

競売になる日まで、ただじっとしているのではなく、あなたから行動すべきでしょう。