任意売却で売れなかったら...その時はどうなる⁉ 第1話
競売になるかならないか、あなたにとって大きな分かれ道となる「任意売却」ですが、いざやると決めても、トントン拍子にうまくいかないこともあります。
今回は、任意売却が認められないために売れなかったなど、そもそも任意売却ができないのではなく、任意売却を試みているにもかかわらず、売れなかったらどうなるのか、という事をお話ししていきます。
もし任意売却できなかったら?競売までの流れ
あなたが、「任意売却をしたい」と選択をしたところで、必ずしも任意売却ができるというワケではありません。
なぜ任意売却ができないのか、その原因として考えられる理由は、あとで詳しくお話ししていきますが、ここでは、競売になってしまった時、どのような流れであなたに何がおこるのか、時間の経過とともに一覧にまとめて見ていきましょう。
住宅ローンの滞納から競売開始、そしてご自宅の引渡しまでは、おおよそ、この一覧表のような流れになります。
表の右側には、競売の流れに対応して、任意売却のご相談がいつまでが可能なのかを示しておきました。
大事なポイントをご説明します ー ③の「期限の利益の喪失」・代位弁済とは
期限の利益の喪失とは、あなたは、今、住宅ローンを月々決められた金額で支払っていると思いますが、ある時期から、この住宅ローンの分割払いの権利を失い、金融機関(銀行など)から一括での返済を求められるということです。
一括での返済ができなければ、あなたが住宅ローンを組んだ時に、あなたの保証人になっている保証会社が、代わりに金融機関(銀行など)に一括返済をします。
そして、あなたが返済をおこなっていく相手は、金融機関から保証会社へと変わります。
あなたの代わりに一括返済をしたのですから、そのお金を返して下さい、となるワケです。
これが、期限の利益の喪失と保証会社の代位弁済です。
さて、ここから事情が変わってきます。
保証会社へ変わった時からも、返済が遅れている時にかかる、遅延損害金がかかっているのです。
もちろん、それまでの金融機関への返済にも、遅延損害金はかかっていますが、それまでは、月々の返済額に対してかかっていましたので、そんなに大きな損害金額ではないでしょう。
しかし、あなたが今まで金融機関と約束をしていた、毎月いくらずつ返済するという条件は、この保証会社へは引き継がれません。
したがって、住宅ローン返済の相手が保証会社へ移ってから、今度は、保証会社から一括返済を求められます。
そして、期日までに払えなければ、ローン残金の全額に対して、遅延損害金がかかってくることになります。
実際の数字で見てみましょう。
実際の住宅ローン遅延損害金は、年14%~年14.6%のところが多いです。
「ローン残債2000万円×遅延損害金14.6%÷365日」 この計算で、一日にかかる遅延損額金が算出できます。
一日になんと...
8000円もの損害金を取られてしますのです。
1ヶ月でおおよそ、240,000円。
売却が1ヶ月先になるだけでも、ものすごい遅延損害金を取られるのが分かりますよね。
月数万円に対してかかるのと、まだ住宅ローン残債が数千万円あるならば、その全額に対してかかるのとでは、かなりの差になるでしょう。
この遅延損害金も、もちろん今後あなたが払わなければならないものですから、任意売却にしても、競売にしても、とにかく売却をして返済しなければ、毎月どんどん増え続けていってしまいます。
あなたは、そのこともしっかりと頭に入れておく必要があります。
保証会社の競売申し立てと任意売却
保証会社が代位弁済をしてからは、あなたが「任意売却をしたい」という意思を示さない限り、競売への一直線の流れを止めることはできません。
しかし、流れを止めると言いましたが、任意売却が完了するまで、いつまでも待ってくれるワケではありません。
そのあたりは、保証会社の判断となり、少しだけ猶予をくれる会社もありますが、競売までに間に合えば任意売却してもいいよ、というスタンスの会社も少なくありません。
後者の場合は、任意売却ができなかったから、そこから改めて競売に移っていくといった、区切りがあるわけではなく、保証会社によって競売の手続きが進められていく中で、任意売却を試みるということになります。
いずれにしても、保証会社から競売の申し立てをされてしまえば、もう一括返済ができない限りは、この流れを止めることはできません。
あくまで、任意売却というのは、「⑫の開札日までに、間に合えばできる」ということです。
ただ、実際には、⑪の期間入札開始前日までに、ローン残金の返済ができるのであれば、任意売却を認める、という保証会社が多いです。
「早めの相談を」と申し上げているのは、この開札日までの期間が長いほど、任意売却ができる期間が長くなり、あなたにとって、有利な任意売却を試みることができるからです。
今回は、競売の流れと任意売却の時期について、見てみました。
次回は、競売になってしまった場合に、競売でも売れないコトはあるのか?についてお話しししたいと思います。
『住宅ローン”麹町”相談ルーム』の若林までご連絡下さい。
秘密厳守・相談無料ですので、ご安心下さい。
業界第一歩は、建設会社系の不動産会社に勤務し売買の一般仲介業務に従事しておりました。東京の都心を中心に、東京23区をエリアとして営業マンとして忙しく動き回っておりました。
その後、仲介業務だけでなく、マンションの一棟買取リノベーション、一部屋毎の買取リノベーション、不動産競売、一戸建ての建売などを経験し、2007年、Jハーモニックス不動産株式会社として独立し現在に至っております。
独立後は、首都圏と東北の仙台(生まれが仙台市のため)に営業拠点を置き、マンションのリノベーション事業、不動産競売、そして、任意売却を中心に住宅ローンの救済コンサルタントとして、東北から西は愛知県まで飛び回っております。
住宅ローンは、長期にわたりローンの支払いが続くものです。その間、いろいろな要因で返済が難しくなる場合もあります。 生活の基盤を固め、ご家族の幸せのために、ご自宅探しを始め、一大決心でローンを組んでご自宅を購入。その後は、様々な困難を乗り越えて、一生懸命にお仕事をしてローンの返済を続けてきた。しかし、どうしようもない状況に直面してしまった方もいらっしゃいます。お話しをよくお聞きし、お客様おひとりおひとりにとって最善の方法を話し合い、解決していく。
現在は、このようなコンサルティングの仕事もしております。この経験を活かし、無理のない不動産購入のお手伝いもさせて頂いております。
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