任意売却で売れなかったら...その時はどうなる⁉　第２話

競売になるかならないか、あなたにとって大きな分かれ道となる「任意売却」ですが、いざやると決めても、トントン拍子にうまくいかないこともあります。

今回は、任意売却が認められないために売れなかったなど、そもそも任意売却ができないのではなく、任意売却を試みているにもかかわらず、売れなかったらどうなるのか、という事をお話ししていきます。

結論から言うと、競売でも売れないことはあります。

上の表で、「⑪期間入札の開始」のところで、入札期間は１週間だとお伝えしました。

期間内に、どの物件にも必ず入札があるのかというと、入札希望者が現れないこともあります。

その場合は、そこからさらに１週間、こんどは「特別売却」をすることになります。

　※「特別売却」とは？

裁判所が決めた"売却基準価額"以上の価格であれば、はじめに入札した人が落札できる、という売却方法です。ようするに、早い者勝ちということです。この期間は、たとえタッチの差で、二番目の入札希望者が、もっと高い価格で買う！と言っても、一番はじめに入札をした人が落札することになります。

この特別売却でも売れなければ、最低落札価額を見直して、ぶたたび期間入札→特別売却と、この流れを３度繰り返します。

「競売」が長引くほど、最低入札価格は下がっていき、遅延損害金は増えていきますので、あなたが返済にあてられる金額が、どんどん下がっていく可能性が高くなる、ということになります。

ここまでの事から、「競売で売られずにすんだ」「まだこの家に住める」と、喜べるものでは決してないことは、お分かりいただけたのではないでしょうか。

債権者が再び「競売」の申し入れをすれば、また初めからの流れを繰り返してきます。

しかし、債権者からしても、競売をするにはお金がかかります。

可能性がないと判断するような場合には、はじめから競売の申し立てすら行わないでしょうから、競売申立てがあれば、実際には取り消しまでいかず、２～３回目の期間入札で、落札されるケースがほとんどです。

つまり、債権者も競売を申し立てるからには、落札されるだろうという確信が持てているということであり、ここまでに至るケースは、ほとんどないでしょう。

繰り返しになりますが、競売が長引けば、売却される金額がどんどん下がっていくかのうせいが高くなり、遅延損害金は増えていくワケですから、あなたにとってメリットと言えるものは、ハッキリ言ってないでしょう。

仮に、競売になってしまったとして、一回目で落札されたら良かったと、思うべきところなのかもしれません。

次回は、任意売却がうまくいかない３つの理由について、見ていきたいと思います。