「任意売却と自己破産」 それぞれ行うタイミングと周りへの影響! 第二話
転職や離婚などの状況の変化や、返済金額が、ある時から一気にあがってしまう「ゆとり返済」などの影響を受けて、ギリギリの生活をしているにも関わらず、住宅ローン返済の見通しが立たなくなったり、滞納をしはじめてしまったり...
こんな状態が、一体いつまで続くのだろうか。
そんな時に、あなたは任意売却という方法があることを知り、不動産の査定をしてもらった。
と、そこまでは良かったものの、
査定結果によると、ローン残債よりも査定金額が大きく下回り、売れたところで500万円もの借金をかかえることになる...
これではもう返していくことなんて出来ない。
となると、自己破産をするしか、もう選択肢はない。
もしかしたら、あなたもそう思っているのではないでしょうか。
前回は、「自己破産」とはそもそもどのようなこと?
又、自己破産にも種類がある。管財事件とか同時廃止とか。それぞれについて、条件とか費用などが異なるので、お話ししました。
今回は、「自己破産」できないケースは、どんなケースなのかについて見ていきたいと思います。
自己破産できないケース
裁判所から自己破産の許可がおりることを「免責許可」と言いますが、その許可がおりない時には、「免責不許可」となります。
その場合には、自己破産は認められず、あなたは債務をなくすことが出来ません。
自己破産できないというよりも、正しくは、自己破産をしても、言葉は悪いですが、「借金がチャラにならないケース」ということですね。
では、免責不許可となるのが、どんなケースなのかを簡単に見ていきましょう。
1.財産の隠蔽
文字通り、あなたの財産を隠す行為です。
2.資産を不当に安く処分
本来の価値よりも安くても、手元にある財産を処分してしますこと。
明らかに不利益が大きい取引だと判断されれば、不許可になることもあります。
3.偏頗弁済(へんぱべんさい)
自己破産の申し立てをすることが明らかな状態で、特定の借入先にだけ、偏った返済をおこなってしまうことです。
裁判所としては、どの債権者にも平等に弁済の配当がいきわたることを原則としているため、「債権者平等の原則」に反していると判断します。
特に多いのが、友人や親戚に対して、多く返済をしてしまうというケースです。
自己破産においての"債権者"には、友人や親戚も含まれており、銀行や貸金業者などと同じ一件の借入先という考えなので、偏った返済をすることは認められません。
ただ、任意売却の売却代金は、ほとんどが住宅ローンの借入先の金融機関になりますが、金融機関はその住宅の抵当権者ですから、受け取る権利があるとみなされ、偏波弁済にはあたらないのです。
4.債務原因がギャンブルや浪費、投資
その取引の内容によりますので、一概に自己破産できないというワケでもありませんし、少額管財であればみとめられることもあります。
株やFX、ギャンブルによる債務で自己破産できたケースも実際にはあります。
5.自己破産を目的とした借入
たとえば、クレジットカードで分割やリボ払いを利用してショッピングをした商品を転売して現金化してしまったりすることも、認められないケースとして該当します。
こちらも、必ずしもというワケではなく、悪質と判断された場合などです。
破産申立て前のあなたのお金の流れは、細かくチェックされることになるでしょう。
6.財産帳簿の隠蔽・偽造・ねつ造
7.虚偽の債権者
たとえば、友人や親戚からの借り入れを報告し忘れてしまったり、債権者を作り上げて、そこにも配当が行くように不正をしたりすることは、虚偽の報告として認められなくなります。
8.調査への非協力行為
9.管財業務の妨害行為
10.過去7年以内に免責取得
過去7年以内に、自己破産や民亊再生などを行っている場合も、認められません。
11.予納金の納付不可
前にもお話ししましたが、この予納金が払えないと、そもそも自己破産が出来ません。
少額管財になったとしても、20~30万円はかかります。
原則として、現金一括で納めることになります。
破産管財人への報酬が払えないのでは、当然認められません。
12.自力返済が可能
同じ500万円の借り入れであっても、あなたの月収が20万円なのと、50万円あるのとでは、返済能力が違いますよね。
そのため、裁判所があなたの"借入先"と"債務の合計"や"家計簿"などの情報を見たうえで、本当に返済をすることが出来ない状態かを判断することになります。
よく、現在の状況で3年以内に返済することが出来るかどうか、などと言われていたりします。
今回は、自己破産が出来ないケースを見てきました。
次回は、自己破産するとして、任意売却よりも先にするか、後にするかについてお話ししていきます。
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業界第一歩は、建設会社系の不動産会社に勤務し売買の一般仲介業務に従事しておりました。東京の都心を中心に、東京23区をエリアとして営業マンとして忙しく動き回っておりました。
その後、仲介業務だけでなく、マンションの一棟買取リノベーション、一部屋毎の買取リノベーション、不動産競売、一戸建ての建売などを経験し、2007年、Jハーモニックス不動産株式会社として独立し現在に至っております。
独立後は、首都圏と東北の仙台(生まれが仙台市のため)に営業拠点を置き、マンションのリノベーション事業、不動産競売、そして、任意売却を中心に住宅ローンの救済コンサルタントとして、東北から西は愛知県まで飛び回っております。
住宅ローンは、長期にわたりローンの支払いが続くものです。その間、いろいろな要因で返済が難しくなる場合もあります。 生活の基盤を固め、ご家族の幸せのために、ご自宅探しを始め、一大決心でローンを組んでご自宅を購入。その後は、様々な困難を乗り越えて、一生懸命にお仕事をしてローンの返済を続けてきた。しかし、どうしようもない状況に直面してしまった方もいらっしゃいます。お話しをよくお聞きし、お客様おひとりおひとりにとって最善の方法を話し合い、解決していく。
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