「任意売却と自己破産」 それぞれ行うタイミングと周りへの影響! 第四話
転職や離婚などの状況の変化や、返済金額が、ある時から一気にあがってしまう「ゆとり返済」などの影響を受けて、ギリギリの生活をしているにも関わらず、住宅ローン返済の見通しが立たなくなったり、滞納をしはじめてしまったり...
こんな状態が、一体いつまで続くのだろうか。
そんな時に、あなたは任意売却という方法があることを知り、不動産の査定をしてもらった。
と、そこまでは良かったものの、
査定結果によると、ローン残債よりも査定金額が大きく下回り、売れたところで500万円もの借金をかかえることになる...
これではもう返していくことなんて出来ない。
となると、自己破産をするしか、もう選択肢はない。
もしかしたら、あなたもそう思っているのではないでしょうか。
今回は、自己破産とまわりに与える影響、そして、出来る事なら任意売却を先にしたほうが良いのではないか、についてお話ししていきたいと思います。
自己破産をしたら連帯保証人や家族はどうなる⁈
自己破産をした場合に、まわりに与える影響、特に、連帯保証人がいる場合やご家族への影響を見ていきます。
連帯保証人
任意売却であれば、あなたがしっかりと住宅ローン残債と向き合っている限り、なにか金銭面での迷惑がかかることはありません。
任意売却に同意してもらう必要はありますが、書類上のことですから、そんなに大きな負担をかけることはないでしょう。
しかし、自己破産をするということは、借金を放棄するということです。
そうなれば、連帯保証人が、放棄したあなたの代わりに返済していくことになります。
あなたが夢のマイホームを手に入れるために、連帯保証人としてあなたを信じ、協力してくれた方に対して、借金を負わせてしますのです。
あなたの連帯保証人の方は、その事実をどう受け止めるでしょうか。
結局、こういうケースにおいては、連帯保証人も支払い不能となり、自己破産をされる道を選ぶ方も、少なくありません。
自分の経済状況に問題があったわけではないのに、あなたの債務が連帯保証人を破綻させてしまうことになったら、その時あなたはどんな思いになるでしょうか。
自己破産は最終手段として、まずは、あなた自身が向き合うべきだとは思いませんか?
ご家族
奥さまやお子さまが、連帯債務者・連帯保証人になっていなければ、なにか大きな影響を受けることはないかもしれません。
戸籍や住民票に、自己破産のことが載ったりすることもありません。
しかし、財産の処分として、自宅を競売にかけることになれば、競売情報として広く知れ渡る可能性はありますし、入札希望者があなたのご近所に、調査として、事情の聞き込みをしたりすることは考えられます。
かといって、競売にかけるかを判断するのは、破産管財人ですから、あなたがいくら「周囲に知られたくないから、競売はしたくない」といったところで、それが考慮されることはありません。
お勤め先
こちらも、自己破産をしたからといって、なにか特別な通知がいくわけではありません。
任意売却や競売を含めて、何もなければ、それらは特に知られることもないでしょう。
しかし、競売にかけられてしまったりすると、そこから情報が知れ渡り、最終的には職場にいにくくなり、辞めてしまったケースがあります。
ご近所
先に挙げたように、競売になることで、知られてしますことは考えられます。
出来るだけ、まわりに知られる可能性を避けたい、とお考えであれば、ご自分で選択できるうちに、任意売却を試みておきましょう。
ご近所に知られてしまうと、のちに引越しをするにしても、何となく、もうその近所には住めないですよね。
そうなると、生活圏も変わってしまいますし、お子さまが転校せざるを得なくなったり、奥さまがお勤め先を変えざるを得なくなることも考えられます。
そこまでになってしまうと、生活が大きく変わってしまうことになりますから、ご家族への負担も大きくなるでしょう。
できるだけ、自分はどんなことも耐えるが、家族の生活はなるべく変わらないように守ってあげたい。
そう思いますよね。
そうお考えであれば、出来る限り、競売は避けられるようにした方が良いでしょう。
自己破産は本当になにも残せないの?
自己破産をしたからといって、何もかも失ってしまっては、生活の再建が出来なくなってしまうことから、手元に残すことが認められる財産があります。
これらは、自由財産と呼び、大きく分けて3つの財産に分かれています。
99万円以下の現金
詳しい計算の基準などは割愛しますが、「破産法第34条3項」により認められているものです。
あくまで、現金99万円なので、原則として、銀行にある預貯金(定期預金など)は含まれません。
差押え禁止財産
日用品や家具・衣類など、生活必需品であると判断されるものや、年金・生活保護費などは、残すことが認められています。
それから、たとえば生命保険に関しても、原則、解約返戻金が20万円以上になるのであれば、解約することになります。
しかし、破産者がその時すでに、病気にかかっているなどの場合、解約をしてしまうと再加入が出来ない恐れがありますので、そういった場合には、生命保険などは残すことが認められています。
お子さまのための学資保険や将来のための個人年金保険などは、解約することになるでしょう。
せっかくご家族の将来を守るためにかけている保険も、自己破産してしまえば、原則は失うことになります。
新得財産
最近は、この自由財産として認められるモノが拡張しました。
この新得財産とは、破産手続き開始決定通知がされた後に取得した財産は、手元に残すことが出来ます。
おもに、相続によって得るものや、将来の収入などのことを指します。
忘れちゃいけない税金の滞納
これも残るものとして、忘れてはいけないものでしょう。
自己破産をしたからといって、それまでに滞納した税金は、チャラにはなりません。
破産後の生活においても、税金の支払い義務は残るのです。
遅れている間は、遅延損害金もついてしまい、もちろんそれを含めて支払っていくことになりますから、長いあいだ延滞をすることは、出来るだけ避けましょう。
任意売却をしていれば、あなたが払っていることには変わりありませんが、売却した代金から支払いが出来るように、債権者に交渉をすることが出来ます。
もしそれが認められれば、それまで滞納していた分は、手元のお金から払わなくてよくなります。
税金の遅延損害金はとても高いですから、長く滞納せずに払えるというのは、今後のあなたの負担を考えると、重要なことではないでしょうか。
その分、もしもの時のために、手元に現金を残すことも出来るのです。
裁判所から認められなければ失う
現金など分かりやすいものはいいとして、あなたが生活必需品だと思っているものが、必ずしも認められるものではありません。
例えば「車」
家族にとっては、なくては困るものであったとしても、障害があり通勤に不可欠であるとか、足が不自由かつ病院までの公共交通機関の手段がないとか、事情があるだけでなく、それを証明することが求められます。
障害認定がおりている、医師の診断書が出ている、などの要件が揃ってはじめて認められるものですから、何でもかんでもというワケにはいきません。
もしくは、かなり走行距離がいっていたり、型式が古いものであったり、その車の価値が20万円以下であると認められれば、手元に残せるかもしれません。
まとめ
ここまで見てみても、やはり自己破産をしてしまうと、失うモノの方が多いでしょう。
そして、まわりへの影響も大きい、と考えるべきでしょう。
そう考えた時に、任意売却をして、今後の返済が相談できることで、自己破産を避けることが出来るのであれば、できるだけ、自己破産はしない方向で考えたいところではないでしょうか。
自己破産するのは、任意売却をして様子を見てからでも遅くはないのです。
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業界第一歩は、建設会社系の不動産会社に勤務し売買の一般仲介業務に従事しておりました。東京の都心を中心に、東京23区をエリアとして営業マンとして忙しく動き回っておりました。
その後、仲介業務だけでなく、マンションの一棟買取リノベーション、一部屋毎の買取リノベーション、不動産競売、一戸建ての建売などを経験し、2007年、Jハーモニックス不動産株式会社として独立し現在に至っております。
独立後は、首都圏と東北の仙台(生まれが仙台市のため)に営業拠点を置き、マンションのリノベーション事業、不動産競売、そして、任意売却を中心に住宅ローンの救済コンサルタントとして、東北から西は愛知県まで飛び回っております。
住宅ローンは、長期にわたりローンの支払いが続くものです。その間、いろいろな要因で返済が難しくなる場合もあります。 生活の基盤を固め、ご家族の幸せのために、ご自宅探しを始め、一大決心でローンを組んでご自宅を購入。その後は、様々な困難を乗り越えて、一生懸命にお仕事をしてローンの返済を続けてきた。しかし、どうしようもない状況に直面してしまった方もいらっしゃいます。お話しをよくお聞きし、お客様おひとりおひとりにとって最善の方法を話し合い、解決していく。
現在は、このようなコンサルティングの仕事もしております。この経験を活かし、無理のない不動産購入のお手伝いもさせて頂いております。
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