住宅ローン返済中に離婚... 売る?それとも住み続ける? その1
人生の一大イベントである結婚を機に、35年ローンを組んでマイホームを購入。
子どもも生まれて家族も増え、これからもっとお金もかかるようになってくる。
結婚をすれば、独身時代にひとりで生活していた時とは違い、夫として...妻として...そして親として、精神的にも金銭的にも"責任"が生まれてくるでしょう。
夫婦でともに手を取り合って、協力していかなければ...
そうと分かってはいても、やはり人と人ですから、ずべてが思うようにいくものではありません。
離婚理由としてよく挙げられる、性格の不一致や価値観の違い、DV(家庭内暴力)。
こういったところは、家計を一緒に生活をしてみなければ、分からないことも多いでしょう。
今回は、やむを得ず離婚となってしまった時に、まだまだ住宅ローンの返済が残っている場合、借金が残ってでも売るべきか、そのままどちらかが住み続けるか、その考え方についてお話ししていきます。
"5年未満"の離婚が30%超
今の日本では、まだまだ持ち家志向は強いですよね。
「家賃を払うのがもったいない」「子どもに財産を残してあげたい」などその理由はさまざまです。
結婚を機に住宅を購入する方々も多いですね。
結婚のタイミングだけでなく、妊娠・出産や子どもの入園をキッカケに購入する人も多く、結婚から5年以内にマイホームを持つ夫婦は今後ますます増えてくるでしょう。
ところが、上のグラフにあるとおり、結婚をして一緒に暮らし始めてから、離婚をするまでの期間というのは、5年未満が30%を超え、一番多いのです。
そして、10年未満にして見てみると、離婚をする方の半数以上になっています。
住宅に関して言えば、結婚のタイミングで購入するカップルが多いのですが、2~3年のあいだに頭金を貯めて、購入することも多いでしょう。
そして、そのほとんどは、一括購入ではなく25~35年のローンを組んでおり、返済期間が5年未満というのは、まだ毎月払っているローン返済のほとんどが利息という段階。
借入先の金融機関から毎年届く、住宅ローン年末残高証明書を見ていただいたことがあればご存知でしょうが、はじめのうちの返済では、元金はそれほど減っていないでしょう。
このように、住宅ローン残債がまだまだ残っている状況で離婚をするケースというのは、珍しくないことが分かります。
離婚にともなうイエ事情
離婚に伴って、イエに関する問題はいろいろとあります。
代表的な3つについてお話ししていきます。
財産分与においてモメる原因№1⁈
株や現金などと違って、不動産はキレイに半分に分けるということが出来ません。
そのため、持ち分で分けたとしても、離婚後も同居するなどでない限り、住めるのはどちらが一方ということになります。
また、その価値がなん百年たっても落ちなかったり、むしろ上がったりすることもあり、相続争いなどで裁判になったりしていますよね。
夫婦でも婚姻期間中に購入したのであれば、二人の不動産ですから、話し合った上でしっかり財産分与をしておかなければ、後々トラブルに発展することもあります。
簡単にはいかない名義変更
不動産そのものや住宅ローンなど、離婚に伴って所有名義や借入名義を変更したいと思っても、あなたと奥さまだけで出来ることではありません。
ローンがまだ残っているということであれば、抵当権者である金融機関から事前に承認をもらわなければならず、審査をクリアする必要があります。
ローン自体の借り入れ名義人(債務者)を変えることに関しては、今ローンを組んでいる債務者と同じくらい収入があり、返済能力があると認められる他にも、連帯保証人を立てるよう求められたりるすることもあるでしょう。
新規でローンを組む時よりも、厳しい審査基準になる金融機関もあるようです。
名義変更が認められなかったからと言って、名義をそのままにして名義人以外が住んでしまったりすると、何かあった時に問題がおこります。
たとえば、債務者に万が一の事があったとき、住宅ローン残債分の保険金がおりるはずの団体信用生命保険で、契約違反をしたとして保険金がおりないコトもありますので、注意が必要です。
離婚後も続く連帯債務者・連帯保証人という関係
離婚届の提出と、住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)はまったく別物です。
そのため、夫婦で連帯債務者になっていたり、夫もしくは妻が連帯保証人になっていたりする場合、その関係は離婚をしたからといって、変わるものではありません。
連帯債務者・連帯保証人などを変更するためには、借り入れ先の金融機関からの承諾が必要であり、審査をすることになるでしょう。
この変更については、そう簡単に出来るものではありません。
そのため、離婚を機にイエを売却してしまったほうが良いのか?
この点について、次回お話ししていきたいと思います。
『住宅ローン”麹町”相談ルーム』の若林までご連絡下さい。
秘密厳守・相談無料ですので、ご安心下さい。
業界第一歩は、建設会社系の不動産会社に勤務し売買の一般仲介業務に従事しておりました。東京の都心を中心に、東京23区をエリアとして営業マンとして忙しく動き回っておりました。
その後、仲介業務だけでなく、マンションの一棟買取リノベーション、一部屋毎の買取リノベーション、不動産競売、一戸建ての建売などを経験し、2007年、Jハーモニックス不動産株式会社として独立し現在に至っております。
独立後は、首都圏と東北の仙台(生まれが仙台市のため)に営業拠点を置き、マンションのリノベーション事業、不動産競売、そして、任意売却を中心に住宅ローンの救済コンサルタントとして、東北から西は愛知県まで飛び回っております。
住宅ローンは、長期にわたりローンの支払いが続くものです。その間、いろいろな要因で返済が難しくなる場合もあります。 生活の基盤を固め、ご家族の幸せのために、ご自宅探しを始め、一大決心でローンを組んでご自宅を購入。その後は、様々な困難を乗り越えて、一生懸命にお仕事をしてローンの返済を続けてきた。しかし、どうしようもない状況に直面してしまった方もいらっしゃいます。お話しをよくお聞きし、お客様おひとりおひとりにとって最善の方法を話し合い、解決していく。
現在は、このようなコンサルティングの仕事もしております。この経験を活かし、無理のない不動産購入のお手伝いもさせて頂いております。
業界30年の経験を活かし、微力ながら、皆様の不動産のご購入、ご売却、相続問題、住宅ローンなど債務返済のご相談を承っております。