住宅ローン返済中に離婚... 売る?それとも住み続ける? その2
人生の一大イベントである結婚を機に、35年ローンを組んでマイホームを購入。
子どもも生まれて家族も増え、これからもっとお金もかかるようになってくる。
結婚をすれば、独身時代にひとりで生活していた時とは違い、夫として...妻として...そして親として、精神的にも金銭的にも"責任"が生まれてくるでしょう。
夫婦でともに手を取り合って、協力していかなければ...
そうと分かってはいても、やはり人と人ですから、ずべてが思うようにいくものではありません。
離婚理由としてよく挙げられる、性格の不一致や価値観の違い、DV(家庭内暴力)。
こういったところは、家計を一緒に生活をしてみなければ、分からないことも多いでしょう。
今回は、やむを得ず離婚となってしまった時に、まだまだ住宅ローンの返済が残っている場合、借金が残ってでも売るべきか、そのままどちらかが住み続けるか、その考え方についてお話ししていきます。
売却してスッキリ離婚という選択肢
前回のブログでお伝えしてきた通り、住宅ローンが残っている家がある場合には、離婚届を出して終わりとはいきません。
後々のことを考えて、トラブルのもとである不動産も、離婚を機にリセットしておきたいとの思いから、売却を選択するケースも少なくありません。
離婚をして、お互い新たな生活をスタートさせているのに、権利争いでいつまでも裁判が続いている...
裁判とまではいかなくても、家をめぐってギスギスした関係が続いている...
お子さまがいらっしゃれば、完全に縁が切れることはないかもしれませんが、新生活をはじめれば、お互いどういった状況になるかは分かりません。
離婚から数年もたてば、新たなパートナーができていることだってあるかもしれません。
そうなれば、離婚した相手との間で、いつまでもズルズルと問題をひきずっているというのは、気持ちのよいものではないですよね。
そんな状況は、あなたも望んではいないでしょうし、お子さまだってそんな両親の姿を見たら、とても傷ついてしまうかもしれません。
家という物理的に分けられないモノであるために、精神的に疲弊してしまったり、大切な人を傷つけてしまったりするくらいなら、たとえローンが残ってしまったとしても、売却をしてお互いスッキリするというのも、ひとつの考え方ではないでしょうか。
残債アリの家を売るには
しかし、住宅ローンを組んでから、まだ数年しかたっていないようであれば、ほとんどが売却金額よりもローン残高のほうが高く、残債が残ってします、オーバーローンになるでしょう。
ローンを組んでいる間の住宅には、抵当権というものが設定されており、あなたが借り入れをした金融機関などが抵当権者として存在しているハズです。
この抵当権者は、もしもあなたからの返済が滞ってしまったら、その住宅を競売にかけて、返済金として回収することができます。
住宅購入ともなれば数千万円はかかるものですが、金融機関は「購入資金をあなたに貸す」というリスクを負う代わりに、そのお金が返ってくるまでは、抵当権という権利を持っているということです。
逆にいうと、"ローンを完済すれば抵当権ははずれる"ということになります。
本来、まだ抵当権がついている(ローンが残っている)住宅は、売却することが出来ません。
ここでは、オーバーローンになってしまう売却においては、どんな方法を取ることが出来るのかをお話ししていきます。
手元資金で残りを一括返済
売却代金をローン返済にあて、残ってしまったローン分を、手元にある資金で払うことが出来るのであれば、売却するにあたって問題はないでしょう。
完済できる金額での売却依頼
考え方としては、手元にある資金と足して完済にできる金額、と言う方がいいでしょう。
それでも、まわりの相場より高くなってしまっていれば、なかなか買い手がつかないことも考えられます。
このあたりの価格設定は、仲介を依頼する業者ともよく相談して決めるべきでしょう。
希望通りに...とばかり考えてしまうと、買い手が見つかるまでにかなり時間がかかってしまうかもしれませんが、売れるまで離婚するのを待つというワケにはいかないでしょう。
売却が決まるまでの間に、トラブルが起きないようしっかり話し合い、取り決めなどがあれば、きちんと公正証書を作っておいた方がいいでしょう。
任意売却
これが出来るなら話が早い!と思われたかもしれませんが、誰もが選択できるワケではありません。
本来は、完済をしたら抵当権をはずしますよ、という約束のもとに融資を受けているのですからね。
この任意売却については、別ブログ『任意売却とは?競売との違いも含めてわかりやすく解説』にて詳しくお話ししていますので、こちらも併せてお読みいただければと思います。
まとめ
売却をするにしても、どちらか一方が住み続けるにしても、のちにトラブルを招くことがないよう、しっかりと話し合いをしておくことでしょう。
離婚をした後には、それぞれ別々の生活がスタートするのです。
お互いが気持ちよく、新たな道を歩んでいけるよう、もめる原因となりうるものは、出来るだけ残さない方がいいのではないでしょうか。
まず、そういった事を話し合うにしても、あなたの家の現状を把握しなければ、話し合いになりません。
今のローン残高はいくらで、売却するとしたら相場はどのくらいか。売却したら残債はだいたいどのくらい残る予定で、一括返済ができそうなのかどうか、無理ならあなたの状況では任意売却は出来るのかどうか。
これらをふまえた上で、お二人にとってどうすることが最善なのか、よく話し合うべきでしょう。
『住宅ローン”麹町”相談ルーム』の若林までご連絡下さい。
秘密厳守・相談無料ですので、ご安心下さい。
業界第一歩は、建設会社系の不動産会社に勤務し売買の一般仲介業務に従事しておりました。東京の都心を中心に、東京23区をエリアとして営業マンとして忙しく動き回っておりました。
その後、仲介業務だけでなく、マンションの一棟買取リノベーション、一部屋毎の買取リノベーション、不動産競売、一戸建ての建売などを経験し、2007年、Jハーモニックス不動産株式会社として独立し現在に至っております。
独立後は、首都圏と東北の仙台(生まれが仙台市のため)に営業拠点を置き、マンションのリノベーション事業、不動産競売、そして、任意売却を中心に住宅ローンの救済コンサルタントとして、東北から西は愛知県まで飛び回っております。
住宅ローンは、長期にわたりローンの支払いが続くものです。その間、いろいろな要因で返済が難しくなる場合もあります。 生活の基盤を固め、ご家族の幸せのために、ご自宅探しを始め、一大決心でローンを組んでご自宅を購入。その後は、様々な困難を乗り越えて、一生懸命にお仕事をしてローンの返済を続けてきた。しかし、どうしようもない状況に直面してしまった方もいらっしゃいます。お話しをよくお聞きし、お客様おひとりおひとりにとって最善の方法を話し合い、解決していく。
現在は、このようなコンサルティングの仕事もしております。この経験を活かし、無理のない不動産購入のお手伝いもさせて頂いております。
業界30年の経験を活かし、微力ながら、皆様の不動産のご購入、ご売却、相続問題、住宅ローンなど債務返済のご相談を承っております。